2010年7月10日

 「交通インフラとガバナンスの経済学 -- 空港・港湾・地方有料道路の財政分析 」刊行いたしました。

      

デフレと莫大な借金を抱える日本経済の立て直しは、簡単な道筋ではありません。効率的で効果的な財政運営が求め られています。長年、改革できなかった非効率組織・システムの改革こそが、期待されています。本書の目的は、行政における非効率性・それを生み出す行政組織体系・その組織を温存するガバナンス・システムの不備を洗い出し、望ましいガバナンスのあり 方を検討するというものです。近年、建設後、半世紀を経たインフラ資産も多くなってきており、厳しい財政状況を考えると、戦略的な整備はもちろんのこと、 戦略的な運営・維持補修の視点も含める形への変革期を迎え、インフラ部門の効果的・効率的な整備・管理・運営の必要性がより一層増してきています。このよ うな背景から、本書では、特に注目を浴びている「空港」・「港湾」・「道路」に関して、その建設・運営制度の戦略的設計:インセンティブ契約設計の視点か ら、所有形態 (国、地方、民)、責任・役割分担(国、地方、運営主体)、財務・運営の透明性 (情報公開)などの在り方およびそれを通じた監視・説明責任体制の在り方を。実証分析を通じて検証・議論しております。

本書が、皆様に日本の政府組織のガバナンスのあり方を議論していただく上での一助になれば幸いです。


http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641163584

http://www.rieti.go.jp/jp/publications/archives/038.html
=>「はしがき」が読めます。

赤井 伸郎(大阪大学)